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失業手当 II (345ユーロ)は合憲

    連邦社会裁判所は1123(木)、20051月に導入された労働市場改革ハルツIV法に定められた月額345ユーロの失業手当 II を合憲とする判決を下し、失業手当 II 受給者の訴えを却下した。

 裁判官によると、立法者には必要な給付の推定において広範囲な裁量の余地がある。給付額は5年ごとに行われる所得と消費に関する無作為抽出検査をベースに算出した社会文化的な生存の最小限度に基づいて定められている。月額345ユーロの給付額は成人の生存の最小限度を保障しており、社会的・文化的生活への参加も保障している。従って、給付額も算定方法も合憲である。

 失業扶助と社会扶助を統合した失業手当 II は月額345ユーロであるが、これに加えて家賃と暖房費が支払われる。

 また、連邦社会裁判所は、以前受給していた社会扶助と同額の失業手当 II を要求した63歳の失業手当 II 受給者の訴えも却下した。58歳以上の被雇用者の失業扶助の廃止も合憲であるとしている。立法者は失業扶助を失業手当 II に切り替える際に、「均衡性の原則と法治国家の信頼保護の原則」を守った。当事者は新しい法律に備える十分な時間を与えられていたとしている。

 原告は、給付額は低く算定されており、法律で保障されている生存の最小限度を反映していないと主張していた。また、苛酷なケースに関する規定がないことも指摘していた。連邦憲法裁判所に違憲抗告するかどうか検討するという。

 ミュンテフェリング連邦労働相は判決を歓迎した。345ユーロ+家賃/暖房費は恣意的に設定したのではなく、所得と消費の統計に基づいて入念に算定したものなので、判決は当然の結果だと述べた。

 それに対して、社会福祉団体は連邦社会裁判所の判決に失望感を示した。給付額は実際の生活必需品のコストをカバーしていないとして、月額415ユーロに引き上げるよう要求している。

2006年12月5日)

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