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11月の失業者数、400万人を下回る 

    連邦雇用庁が1130日(木)に発表したところによると、11月の失業者数は10月より8万9000人減少して3995000人になった。200511月より536000人少ない。400万人の大台を下回ったのは200210月以来4年ぶりである。失業率は0,2%ポイント低下して9,6%。

 好景気の影響が雇用市場にも波及し、本格的な転機を迎えたようだ。10月の就業者数は3970万人と、季節調整済みで9月より2万6000人増えた。1年前より346000人多い。

 旧西独の失業者数は2672000人(失業率8,0%)、旧東独は1323000人(15,5%)。失業手当II 受給者数は前年同月比3,1%増の5076000人、55歳以上の失業者数は6,9%減の525000人、25歳以下の失業者数は20,3%減の427000人。求人は44,4%増の609000人。就業者数は0,9%増の39678000人。

 ヴァイゼ長官は、この良好な展開の要因として「好景気と温暖な天候」を挙げた。また、長期失業者の就職斡旋の改善もポジティブに影響しているという。労働市場改革の努力の甲斐があり、「まいた種が実って、それを収穫している」と述べた。雇用市場に対する付加価値税引き上げのネガティブな影響はほとんどないと楽観的に見ており、今年の年平均失業者数は昨年より36万人少ない450万人、来年は20万人減の430万人と予想している。

 社会保険加入義務のある就業者数は減少傾向にあったが、ようやく転機を迎え、9月は8月よりも1万7000人増えて2688万人だった。1年前よりも317000人多い。2000年から2005年にかけて社会保険加入義務のある就業者数は2620万人に5%減少している。パートタイム従事者は14%増加し、フルタイム従事者は8%減少した。

 メルケル連邦首相は「大変喜ばしい」と語った。特に社会保険加入義務のある就業者数の増加に良い兆候を見ている。ミュンテフェリング連邦労働相は「黄金の11月だ」と述べた。キリスト教社会同盟(CSU)のラムザウアー氏は、「政権交代が報いられた」と評価している。経済専門家は、楽観主義者でも予想できなかったほどの失業者数の大幅減少に驚きを示した。

 それに対して、自由民主党(FDP)のブリュデルレ氏は期待過剰を警告している。安定した世界景気、付加価値税引き上げ前の購買前倒し、温暖な天候が雇用市場にポジティブに作用しているが、構造上の問題は解決されないままになっていると指摘している。

 ドイツ労働組合連盟は、依然として長期失業者が多い点を批判した。ドイツ工業連盟のトゥーマン会長は雇用市場の改善をさらなる改革に活かすよう政府に求めた。「そうすれば、再び新しい職場が創出される」という。

2006年12月5日)

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