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連邦家族省、多世代施設を助成

 

 フォン・デア・ライエン連邦家族相は、全国多世代施設ネットワークの構築を助成すると発表した。各年齢層(幼児、少年、青年、壮年、老年)のための既存の様々なサービス(幼稚園、青少年センター、母親クラブ、高齢者クラブ、老人ホームなど)を統合した多世代施設(Mehrgenerationenhaus)を各郡、各都市に設置することを目指している。目標は多世代の団結だという。

 連邦家族省は全国コンテストで選抜された多世代施設に年間4万ユーロの助成金を支給する。2009年までの予算は9800万ユーロ。今後4年間で439の多世代施設の構築を目指す。これまでに約900の応募があり、その内約50のプロジェクトが選ばれている。

 フォン・デア・ライエン家族相によると、多世代施設プロジェクトのもう一つの目的は、高齢者の時間、経験、知識、潜在能力を社会全体のために活用することである。老年の世代が今ほど健康で、教育水準の高い時代はこれまでになかった。日常生活や子育ての知恵を次の世代に継承させる昔の大家族の構造が目に見えて失われていく。この子育ての知恵と経験を他の形態で次の世代に継承させることが多世代施設の最も重要な目的の一つであるという。

 多世代施設におけるボランティア活動、地域経済との連携も促進しなければならない。例えば、働いている人のための洗濯サービス、高齢者によるベビーシッターなど。

 フォン・デア・ライエン連邦家族相は、来年上半期にドイツがEU議長国になることから、家族政策を主要テーマに取り上げて、家族のための欧州連合の形成を目指す。少子・高齢化に対する「調節ねじ」は、仕事と家庭の両立、早期教育による移民の子供の同化、高齢者のポテンシャルの活用(シルバー・エコノミー:高齢者の経済力、経験、時間)であるという。

2006年12月5日)

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