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大学入学者数、3年連続減少

 

 連邦統計局の発表によると、2006年の大学入学率が35,5%に低下した。今年は高校卒業者数(大学入学資格取得者)が増加したにもかかわらず、大学入学者数は前年比3,5%減の343700人だった。ドイツの大学生総数は198万人である。近年の大学入学率は約37%で、2003年は過去最高の39%であった。

 特にザクセン州、ノルドライン・ヴェストファーレン州、ザクセン・アンハルト州、ブレーメン都市州、バーデン・ヴュルテンベルク州、ニーダーザクセン州で大学入学者が大きく減少した。それに対して、ベルリンの大学では入学者が増えている。全体的には、総合大学で5%減、専門単科大学で1%減であった。

 経済界や政治家、大学は、「ドイツはより多くの大卒者を必要としている」という見解で一致しており、若者の大学への関心が薄れていることを懸念している。全国学長会議は、入学許可制限のある学科が年々増えており、その制限が厳しくなっていることが大学入学率低下の主因ではないかと見ている。また、社会民主党(SPD)の政治家は、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)が政権を握る州が大学授業料を導入ないし計画していることが大学入学者減少の原因だと批判している。

 それに対して、シャバン連邦教育相は、大学授業料を導入するバイエルン州やハンブルク都市州で大学入学者数が増えていることを指摘して、大学授業料との直接的関連はないと見ている。ドイツ経営者連盟のフント会長は、大学入学者数の動向だけに注目することを警告した。大学の教育とサービスを改善して大学卒業率を向上させることの方が重要だという。

2006年12月5日)

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