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連邦議会、ハルツ IV 改正案を可決

 連邦議会は2月17日(金)、雇用市場改革ハルツIV 改正案を可決した。与党(キリスト教民主・社会同盟、社会民主党)は賛成したが、野党の左派新党と緑の党は反対、自由民主党は棄権した。

 ハルツ IV 改正の要旨は次の通りである。

     18~25歳の失業者の失業手当 II は、親の家に住んでいる場合には、正規の失業手当 II (月額345ユーロ)の80%に削減される(18歳以下の失業者と同額の276ユーロになる)。但し、2月17日までに親元を離れている失業者には従来通り正規の失業手当 II が支給され、親の家に戻る必要はない。

     25歳以下の失業者が親元を離れて一人で住む場合の失業手当 II 給付条件が厳しくなる。親元から離れて一人で住む場合には、管轄官庁(連邦雇用庁ないし社会福祉事務所)の同意を必要とする。「重大な社会的理由」から親の家を出なければならないという例外のケースにのみ管轄官庁の同意が得られる。管轄官庁の同意を得られない場合には、家賃及び暖房費は支給されず、正規の失業手当 II が20%ほど削減される(親の家に住む失業者と同じ扱い)。これまでは、扶養家族のいないすべての長期失業者が失業手当 II (旧東独331ユーロ/旧西独345ユーロ)+家賃・暖房費を支給されていたため、国の経費で独り暮らしする若い失業者が増えていた。連邦政府はこの改正により約6億ユーロの節約を見込んでいる。

     旧東独の失業手当 II は現在の月額331ユーロから旧西独水準(月額345ユーロ)に引き上げられる。

     2007年1月1日からは、連邦が長期失業者のために年金保険金庫に支払う年金保険料が現在の月額78ユーロから40ユーロに引き下げられる。この措置により連邦予算の負担が20億ユーロほど軽減される。

 このハルツ IV 改正は今年7月1日に発効する。但し、ソフトウェア技術上の問題から、完全なる実施は2007年からになる見通しである。連邦雇用庁によると、旧東独の失業手当 II の引き上げは今年7月1日から実施できるという。

2006年2月22日)

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