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中毒症の高齢者が増えている

    ドイツ中毒症問題研究所(DHS)は高齢者の生活習慣に警告を発している。高齢者のうち、200万人以上はタバコを吸い、350万人の飲酒量は多すぎ、200万人は習慣的に向精神薬を飲んでいるという。60歳以上の男女のうち、どの位の人がこれらを消費して、中毒になっているかは把握されていない。そこで、同研究所はキャンペーンを展開して、高齢者の中毒症問題への注意を喚起する。高齢者は依存症を克服するチャンスが高いという。

 これまで、高齢者の中毒症は社会的に無視され、かえって医者や諸機関がそれを促してきた。患者が依存症になっていることを認識しなければならないのに、多くの睡眠剤や鎮静剤を処方する医者がいる。病院では患者が強い鎮痛剤や向精神薬を与えられ、退院後もこれらの薬なしには生活できなくなってしまった例も多い。

 ロベルト・ボッシュ病院の老人医学科の調査結果によると、介護施設に入っている人の50%までが向精神薬でおとなしくさせられているという。高齢者の中毒症はほとんど治療されておらず、65歳以上の患者を受け入れない専門病院もある。中毒症統計によると、昨年は29181人が病院で治療を受けたが、その内の572人(全体の2%)が65歳以上の高齢者であった。

 中毒症に伴う病気、身体的・精神的制限、高い転倒リスク、うつ病、他の精神障害、介護施設への入居など、中毒症の高齢者並びに疾病保険金庫、介護保険金庫の負担は大きい。専門家は、政治がこの問題に早急に取り組むよう呼びかけている。

2006年2月22日)

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