オバサンの独り言
トリノ五輪では、ドイツはメダルランキングで上位争いを展開しており、なかなか順調である。それに対して、悲しいかな、日本はまだ一つもメダルをとっていない。表彰式で日本の国旗を見ることはできないが、応援席ではたくさんの日の丸が元気に振られている。 国旗といえば、ドイツ最大のスポーツ用品メーカー、アディダス社がバイアスロン、クロスカントリー、複合のドイツチームにユニホームと帽子を提供したのはいいが、帽子のドイツ国旗の色の順番が間違っていたという何ともお粗末なミスがあった。 ご存知の通り、ドイツ国旗の色の順番は「黒/赤/金」である。ところが、アディダス社の帽子の色の順番はなんと「黒/金/赤」だった のである。バイアスロン女子15kmで 3位でゴールインしたマルティナ・グラゴウ選手がかぶっていたのがまさにこの帽子。グラゴウ選手がテレビにクローズアップされるたびにベルギー人は大喜びだったとか。なぜなら、この色の順番はベルギーの国旗なのである。ちなみに、ベルギーの選手が冬のオリンピックでメダル(銀メダル)を取ったのは1948年が最後だった。 デザイナーが色盲であったわけではないだろうが、世界第2位の大手メーカーとしては、何とも恥ずかしいミスである。グラゴウ選手の帽子は五輪第2週目には「黒/赤/金」になっていたが・・・。 欧州の国旗は縦線か横線、あるいは色の順番が違うだけで非常に似通っているので、間違いやすい。それに比べて、日本の国旗は極めてシンプルで、しかもオリジナルである。応援席で各国の旗が振られていても日本の旗は とにかく目立つ。外国人も日本の国旗はすぐに覚えられるようだ。最高のトレードマークではないか。 今の子供たちはもう歌わないのだろうが、「白地に赤く日の丸染めて、ああ美しい日本の旗は」という歌があった。色々な国旗がある中で日本の国旗を見ると、やっぱり美しいと思う。オリンピックのように世界中の国が参加する祭典では、自然に愛国心が感じられるのかもしれない。 オリンピックやワールドカップの時にはあんなに 熱狂的に国旗を振っているのに、卒業式や入学式の時には見るのもイヤだという人がいるという。日本人はいつになったらイデオロギーに囚われることなく、素直に国旗に誇りを持てるようになるのだろうか。国旗や国歌に誇りを持ち、国を愛することは、日本の暗い歴史を直視し、認識することを否定することではあるまい。 ところで、国旗の色の順番を間違えたのはアディダス社だけではないようだ。独サッカー・ブンデスリーガーの「ヘルタ BSC ベルリン」のマルセリニオ選手 が髪の毛をドイツの国旗に染めたと思いきや、やっぱりベルギーの国旗になってしまったのだそうだ。 ややこしい国旗に比べて、日本の国旗は実にシンプルでいい。まさか、「赤地に白の丸」にする人はいないだろう。 (2006年2月22日)
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