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2008年まで年金据え置き

 ミュンテフェリング連邦労働・社会相は3月8日(水)に年金保険報告書を連邦内閣に提出する。同報告書には、法定年金保険の保険料率並びに収支に関する今後15年間の予測と計画も含まれている。連邦労働・社会省のスポークスマンは2008年まで年金を据え置くことを明らかにした。2009年まで年金削減はないが、引き上げもないという。

 連邦労働・社会省は年金上昇率を平均で年1%と見込んでいるが、少なくとも2008年までは据え置く。年金上昇率は原則として被雇用者の賃金動向に依存しているが、2009年以降も賃上げ率を大幅に下回る。これは、年金保険料を払う就業者と年金受給者の比率を考慮した「持続性要素」と、現時点での年金削減を避けるためにその分を後年に回す「埋め合わせ要素」に起因している。

 ここ数年間ほとんど賃上げがなかったことから、本来であれば年金を引き下げなければならなかったが、連邦政府は年金を据え置きにしてきた。そのマイナス分を2012年から埋め合わせるために、年金の上昇率が鈍化するという。

 一方、年金保険料率は、2007年に現在の19,5%から19,9%に引き上げ、2012年まで19,9%を維持する。また、2014年に19,4%に引き下げて2019年まで19,4%を維持する。連邦政府は年金保険料を2020年まで20%以下に、2030年まで22%以下に抑えることを目標としている。

 2012年まで保険料率を19,9%に抑え、賃金付随コストを引き上げないという政治目標を達成するために、連邦は2008年に年金保険金庫に支給する補助金を「1回限り」の条件で増額する。この特別補助金がなければ、年金保険金庫は2008年に約6億ユーロの赤字になる見通しである。特別補助金の額については2007年に決定する。連邦補助金の特別増額は1回限りであることでシュタインブリュック連邦財務相が同意したという。

  連邦政府は年金削減はないとしているが、2007年に付加価値税引き上げが計画されており、物価上昇などの他のマイナス要素も加わると、年金受給者は年金の実質縮小を余儀なくされる。年金報告書では、年金水準は最後の名目上の所得の52,7%から2019年には46,3%に縮小すると試算されている。

 大連立政権は連立協定において、年金水準が46%を下回らないことと、年金保険料率が19,9%を上回らないことで合意していた。

2006年3月8日)

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