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ドイツは任意による禁煙

    欧州では、公共施設や飲食店における禁煙を法律で義務付ける国が増えているが、ドイツ政府は従来通り、任意による自主禁煙を促していく方針である。シュミット連邦保健相は3月1日(水)、「任意による禁煙」キャンペーンをスタートした。ドイツでも医師会は厳しい禁煙を勧告しているが、連邦保健省は任意による禁煙席の拡張を飲食店に促していく政策を固持するという。

 シュミット連邦保健相は、「様々な利害の対立があるので、禁煙の実施は容易ではない。しかし、財務相にとって痛手であっても、連邦保健省は喫煙を抑制させる方針だ。タバコ税収入が減少しても、喫煙者の減少は疾病保険制度にとって重要だ」と語った。喫煙による病気の治療だけでも疾病保険金庫は年間170億ユーロを支出しているという。

 医師会のホッペ会長は、「タバコ反対キャンペーンを支援する一方で、タバコの消費を抑制させるあらゆる試みを妨害している政府は信用できない」として、政府の矛盾する反タバコ政策を厳しく批判した。ドイツは欧州連合の中で唯一の加盟国として、EUタバコ広告指令に異議を訴えている。ホッペ会長は、この訴えを取り下げて、同指令を批准するよう政府に求めている。

 また、緑の党のスポークスマンは、「飲食店における自主規制や禁煙席の拡張においても、法的規定に関する議論が不可欠だ」と語った。禁煙と関連して、タバコを吸わない人の保護を法律でもっと保証しなければならないとしている。

 飲食・旅館業連盟と連邦保健省は、2008年3月までに自主的に、連盟に加盟しているレストランの90%が全席の半分を禁煙席にすることで合意している。現在、比較的大きな飲食店の31%が全席の約30%を禁煙席にしている。但し、この連盟に加盟している飲食店は全体の3分の1に過ぎない。

2006年3月8日)

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