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連邦議会、経済成長及び雇用促進法案を可決

 連邦議会は3月17日(金)、経済成長及び雇用促進法案を可決した。この法案は、2009年までに全部で250億ユーロを追加投資する「経済成長促進プログラム」の一部である。与党は賛成したが、野党は反対した。同法案は連邦参議院の同意を必要とするが(4月7日に採決予定)、同意は確実と見られている。(2006年1月16日と 2月7日のニュースを参照)

 野党は、経済成長・雇用促進への投資は計画されている付加価値税引き上げで水泡に帰し、税制上の促進措置はさらなる官僚主義的業務をもたらし、税制上の公正さを低下させると批判した。経済成長促進の目的は良いが、成功のチャンスは少ないとして、同法は景気回復を促さないと評価している。

 税制上の経済成長及び雇用促進措置から成る同法案の中核は育児コスト控除の拡大で、仕事と家庭の両立に貢献する。この規定は2006年1月1日に遡って適用される。共働き家庭、母親ないし父親が一人で養育している家庭は14歳までの子供の育児コストの3分の2、最高で子供一人当たり年間4000ユーロを必要経費として控除できる。父親ないし母親だけが働いている家庭は3~6歳の子供の育児コストの3分の2(最高で子供一人当たり年間4000ユーロ)を特別支出として控除できる。但し、家庭教師や塾、語学学校の授業料、音楽(ピアノなど)の授業料、コンピューターコースの授業料、スポーツチームなどの会員料、テニスや乗馬の授業料などは控除の対象にならない。

 また、手工業者を支援する措置として、個人世帯は家の改築や修理コストの内、労働コスト(材料費を除く)の20%までを、但し最高で年間600ユーロを控除できる。この規定は2006年1月1日に遡って適用される。さらに、中小企業助成措置として、企業の減価償却条件が改善される。この措置は2007年末まで適用される。小規模企業の売上税規定も緩和される。年間売り上げが25万ユーロ以下の企業(旧東独では従来通り50万ユーロ以下の企業)は、請求した後ではなく、顧客が支払った後に付加価値税を税務署に納めればよい。

 一方、個人世帯における要介護者の介護コストは最高で1200ユーロまで控除できる。また、税制上の乱用を防止するために、自営業者の商用車課税条件が厳しくなり、自営業者は50%以上を仕事で利用していることを証明しなければならない。

 連邦財務省のヘンドリクス政務次官は、「連邦予算の建て直しと共に、経済成長力の強化も不可欠である」として、経済成長促進プログラムの必要性を強調した。

2006年3月20日)

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