ドイツのニュース

ドイツでもEU運転免許証が義務付けられる

 

 連邦政府が3月16日(木)に、統一したEU運転免許証への反対を取り下げたことから、EU諸国の交通相が今月末に新しいEU運転免許証の導入で合意することが確実となった。ティーフェンゼー連邦交通相は、連邦政府が方針を変えた理由として、過去1年半の間にドイツの警察がコントロールの際に発見した「不正な手段で手に入れた」運転免許証が多かったことを挙げた。

 飲酒運転や麻薬のために運転免許取り消しになったドイツ人2100人以上が他のEU加盟国で新しい運転免許証を取得していた。ティーフェンゼー連邦交通相は、EU運転免許証を導入しなければ、この問題を解決できないと判断したと語った。現行のドイツの運転免許証と新しいEU運転免許証の交換は2031年に終了する予定である。

 欧州裁判所が2004年4月に、EU加盟国は他の加盟国の運転免許証を相互に認容しなければならないという判決を下したことから、飲酒運転や麻薬で運転免許取り消しになった人が他のEU諸国で運転免許証を取得する「運転免許証観光」が増えた。特にオランダと東欧諸国が観光先になっている。

 ドイツでは、飲酒運転や麻薬で運転免許取り消し(停止)になった人は医学心理テストを受けなければならない。このテストに合格して、運転免許証を返してもらえるまでのプロセスにお金と時間がかかることから、他のEU諸国へ行って運転免許証を取得する人が多い。本来、その国に住んでいないドイツ人はその国の運転免許証を取得できないのであるが、お金を払えばOKを出す官庁があるようだ。

2006年3月20日)

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