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連邦政府、疾病保険改革法案を今秋に提出予定

 キリスト教民主/社会同盟(CDU/CSU)と社会民主党(SPD)の首脳陣は4月5日(水)、法定疾病保険改革について議論したが、基本方針で合意に至らなかった。次の首脳会議は5月1日に予定されている。今回の首脳会議では、シュミット連邦保健相の下で作業部会が様々なモデルを算定、評価して改革案を作成することが決まった。

 与党内部では、5月の首脳会議で具体的な決定が下される可能性は少ないと見ている。シュミット連邦保健相は、夏までに改革の基本方針を提示し、秋には法案を提出する意向であることを明らかにした。改革の目標は、疾病保険金庫の連帯的かつ給付能力のある財務を保証することであるという。

 首脳会議では、疾病保険改革を2段階に分けて実施することで歩み寄りがあった模様である。それによると、第一段階として2007年に疾病保険金庫の財政難を緩和する。そのためには短期的に70~80億ユーロの資金が必要になる。第二段階では、疾病保険制度の構造を抜本的に改革する。

  社会民主党のハイル幹事長によると、首脳会議では、一般的保険保護、疾病保険の財務の安定、雇用政策の優先(労働コストから社会保険料を分離)、医師間の競争の促進、連帯的負担配分、すべての市民が医学の進歩の恩恵を受けることなどの8つの目標が確認されたという。シュミット連邦保健相は、疾病保険金庫と医師における構造改革の達成と有効な財務改革を目指すと語った。疾病保険改革は2007年にスタートする予定である。

  しかし、連立与党内では、「連帯」が強調されていることから、現行のモデルを大きく変革することは期待できないと見られている。

2006年4月10日)

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