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全国州首相会議、正書法改革を承認

   全国州首相会議は3月30日(木)、ドイツ正書法審議会が提案した新正書法改正案に基づく正書法改革を全員一致で承認した。その結果、長い間議論されてきた1996年の正書法改革が正式に修正された。修正された新正書法は今年8月1日に発効し、全国の学校で適用される。移行期間は1年間とする。移行期間には、新正書法に則らない書き方は訂正されるが、間違いにはならない。(2006年3月8日のニュースを参照)

  2005年8月1日の新正書法導入を保留していたバイエルン州とノルドライン・ヴェストファーレン州も新正書法改革案を承認したことから、この新正書法は全国の学校で拘束力を有する。ドイツ正書法審議会のツェーエトマイアー議長は、「同審議会は感情的になることなく、時間的圧力なしに、言語観察の新しい段階に入る」と語った。正書法の慎重な発展を目指すという。

 正書法改革に反対する人たちは、「ドイツ正書法審議会の修正案でも不十分だ」という見解で一致している。若い作家のグループは、「言語には妥協がない」として、今後も旧正書法で書き続ける声明を発表した。また、ドイツ正書法協会やドイツ語研究グループも「この妥協で正書法の安寧を達成することはできない」と批判している。

  ドイツ正書法審議会のツェーエトマイアー議長は、「将来、プリントメディアが多くのケースで(新旧正書法の両方が可能なケースで)旧正書法を採用すれば、それが定着するだろう」と語った。教科書の出版会社もプリントメディアに従う考えを明らかにしている。ニーダーザクセン州のヴルフ州首相は正書法改革を「比類ない大失敗」と厳しく批判すると共に、将来は政治正書法の改革に関与すべきではないと語った。

2006年4月10日)

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