ドイツのニュース

高齢出産が増えている

 

 現在、ドイツの出生率(女性一人が産む子供の数の平均)は1,36で、経口避妊薬の普及により出生率が急落した1970年代初頭以来、低水準で安定している。しかし、子供を産む女性の年齢は高くなる傾向にある。

 連邦統計局によると、2004年は出産時の母親の20%以上が「危険妊娠」とみなされる35歳以上であった。この傾向が続けば、35歳以上で出産する母親の割合はまもなく25%になると予想される。すでに大都市では25%を上回っており、ミュンヘンでは2005年に子供を産んだ母親の約29%が35歳以上だった。

 また、出産時に40歳を超えている母親も急増している。ミュンヘンでは2005年に出産した母親の5%が40歳以上であった。これは全国的に見られる傾向で、新生児30人に1人の母親は40歳以上である。

 他の欧州諸国でも子供を産む女性の高齢化が顕著である。マックス・プランク研究所の専門家はその理由として、長い教育期間と仕事に対する不安を挙げている。大卒の女性は職業上の成果が出てから子供を産もうと考える傾向にあるが、学校卒業資格のない女性の場合は、仕事のために子供を諦めることは少ないという。

 医学の進歩(人工授精の技術、出産前の診断法など)も高齢出産の要因になっている。母親の年齢に比例してリスクも高くなるため、リスクと損害賠償請求の不安から、帝王切開を勧める医者が多いという。連邦統計局によると、ドイツにおける帝王切開の割合は過去10年間で17%から27%に上昇している。

 大卒の女性の40%には子供がいないことが指摘されているが、ここで把握されている女性は35歳~39歳の年齢層である。連邦人口研究所の専門家によると、40歳~44歳の女性も考慮すると、子供のいない大卒女性の割合は30%に低下するという。

2006年5月29日)

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