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世帯数は増加、世帯構成人数は減少

    連邦統計局が6月6日(火)に発表した2005年度抽出国勢調査結果によると、世帯数は増加しているが、世帯構成人数は減少していることが明らかになった。1世代だけの世帯が増えており、2世代世帯(親と子供)は全体の3分の1弱で、3世代以上の世帯(親、子供、祖父母)は約1%に過ぎなかった。

 2005年現在の人口は8270万人で、世帯数は3920万世帯であった。世帯数は1991年よりも11%増加したが、世帯構成員人数は3%しか増えなかった。その結果、世帯当たり人数は平均で2,27人(1991年)から2,11人(2005年)に減少した。旧東独では1,98人。子供のいる世帯の割合は27%(1991年)から23%(2005年)に低下した。特に旧東独での低下が顕著である(32%から20%に低下)。また、教育期間が長くなっていることから、子供が親元を離れる年齢が高くなっている。親元に住んでいる子供の30%は成人しており、女性よりも男性の方が多い。

 親(夫婦、同棲者、シングルマザーないしシングルファーザー)と独身の子供(実子であるか否かを問わない)から成る世帯を家族世帯と定義すると、家族世帯数は1320万世帯(1996年)から1260万世帯(2005年)に減少した。1260万世帯の内、伝統的な家族である夫婦(法律婚)と子供の世帯の割合は79%(1996年)から73%に低下したが、シングルマザーないしシングルファーザーと子供の世帯は17%から21%に、事実婚のカップル(同棲者)と子供の世帯は4%から6%に上昇した。1996年以降、事実婚世帯数が240万世帯に34%増加している。18歳以下の子供のいる家族世帯数は1996年以降528000世帯減少して890万世帯になった(全体の23%)。

 旧東独では、夫婦と子供の世帯の割合が72%から62%に減少すると共に、子供1人の傾向が強まっている。子供のいる家族世帯に占める子供1人の家族世帯の割合は45%から52%に上昇した。それに対して、旧西独では1996年が38%、2005年が39%とほとんど変わらない。

 カップルの形態では、結婚せずに同居する事実婚が増えているが、法律婚の夫婦が依然として最も多い。共同家計のカップル2140万組(子供のいるカップル1000万組、子供のいないカップル1140万組)の88%は法律婚の夫婦であった。しかし、結婚していないカップルの数は1991年よりも40%以上増えている。

 65歳以上の高齢者だけの世帯は全体の22%を占めている。高齢者が若い人と一緒に生活している世帯は全体の7%だった。最低1人は高齢者である世帯は29%で、1991年よりも3ポイント上昇した。また、1951年~1962年生まれの大卒女性の3分の1は子供がいない。1人で生活している人は1570万人で、人口の19%を占める。1996年よりも11%増加した。

 一方、人口の約19%は移住者である(ドイツ国籍取得者800万人、非取得者730万人)。連邦統計局のハーレン局長はこの統計から、「ドイツは移住者受入国である」と推論した。ドイツに住んでいる15歳以下の若者の4分の1から3分の1は外国人か移住者であり、特に若者において移住者の割合が上昇している。移住者でないドイツ人の人口だけが減少しており、移住者なしにはドイツ社会は急速に高齢化するという。但し、移住者もドイツで生活するうちにその出生率がドイツ人並みに低下する傾向にあるため、移住者だけで人口減少を食い止めることはできないと専門家は見ている。

2006年6月13日)

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