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ドイツの深刻な少子化

    連邦人口調査研究所とロベルト・ボッシュ財団が2005年に1万人を対象に実施した世論調査結果によると、子供を望む男女はドイツが欧州で最も少ない。ドイツでは、欲しい子供の数が男性で1,59人、女性で1,75人と、他の欧州諸国よりも少ない。イタリアは1,86人/1,92人、ポーランドは2,29人/2,33人。女性一人当たりの出生率はドイツが1,37人、イタリアが1,33人、ポーランドが1,23人である。

 男性では4人に1人、女性では7人に1人が「子供を欲しくない」と回答している。多くの人が、「子供が人生の喜びと満足を改善する」ことを期待していない。大半の人は、「子供は家計の悪化をもたらす」、「子供はステータスを低下させる」と考えている。

 「子供のいる家庭への支援策として何を望むか」という質問に対して、約90%の人がパートタイム職場の改善とフレキシブルな労働時間を挙げた。85%の人は所得に応じた家族手当ないし税制優遇、81%は父母手当て(育児休業中の手当て)を挙げている。保育施設では、87%の人が3歳~6歳の子供の保育施設を、79%が3歳以下の子供の保育施設を希望している。

 家族構成によっても要望に相違が見られる。子供が3人以上の親は「お金(経済的支援)」を、子供が1人の親は「インフラ(保育施設など)の改善」を希望している。大卒の女性は「インフラ」と「時間」を、学歴の低い女性は「お金」を望む傾向にある。

 「子供を欲しくない」と回答した、結婚ないし同棲している20~49歳の人では、約60%の人が子供を欲しくない理由として、「安定した職場が必要だから」と答えている。約50%の人は子供の将来への不安を、同じく約50%の人が生活水準の維持を理由に挙げている。20歳~49歳の全回答者のうち、男性の60%と女性の65%は、経済状態が悪化することを懸念している。

 「人生の喜び」に関する質問では、今後3年以内に子供が生まれた場合の評価で、子供のいない人と子供のいる人の間に相違が見られた。子供のいない人では、44%が「人生の喜びが増える」と回答し、10%が「喜びが少なくなる」、46%が「変わらない」と答えている。それに対して、子供が1人の親では、「変わらない」が65%、「喜びが増える」が23%、子供が2人以上の親では、「変わらない」が72%、「喜びが増える」が12%だった。

2006年7月11日)

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