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連邦交通省、初心者の飲酒運転完全禁止を計画

 連邦交通省のスポークスマンによると、同省は運転免許を取得したばかりの初心者に飲酒運転の完全禁止を義務付ける法案を作成中である。それによると、2007年から初心者には最初の2年間、完全なる飲酒運転禁止が適用される。

 連邦参議院の決議申請に基づいて作成されている法案は今年中に連邦議会に提出される予定である。連邦参議院がすでに州のイニシアティブで初心者の飲酒運転の完全禁止を決定していることから、来年早々には同法が発効する見通しである。

 統計によると、18歳~24歳の年齢層は人口の8%に過ぎないが、飲酒運転が原因で死傷者を出した交通事故の3分の1以上を引き起こしている。そこで、ドイツ自動車クラブADACと警察労働組合も飲酒運転の完全禁止を支持している。

 但し、ジュースなどにも生物的アルコールが含まれていることや、医薬品を通してアルコールが体内に入ることも考慮して、限界値は0パーミルではなく、0,1~0,2パーミルになる見通しといわれる。この限界値を僅かに超えた場合には125ユーロの罰金と交通中央登録簿の2ポイントで罰せられる予定である。

 すでに他の欧州諸国では初心者に飲酒運転の完全禁止を適用しており、ポジティブに評価されている。オーストリアでは死者ないし重傷者を伴う交通事故が17%ほど減少したという。アンケート調査結果によると、初心者の80%が飲酒運転の完全禁止に賛成しており、多くの初心者が法案を歓迎している。

 緑の党のスポークスマンは、若い初心者だけでなく、すべてのドライバーに飲酒運転の完全禁止を適用すべきだとして、連邦交通省の法案を批判した。また、道路交通のコントロールを厳しくすることも求めている。ドイツ自動車クラブは、初心者に限定した規定は「運転経験豊富なドライバーはアルコールを飲んでも安全に運転できる」という間違った論理に導くとして同法案を批判している。ドイツ交通クラブ(VCD)も飲酒運転の完全禁止をすべてのドライバーに適用するよう求めている。

2006年7月31日)

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