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長期失業者は収穫作業に行きたがらない

    ドイツ農業連盟のゾンライトナー会長は、「実験は失敗に終わった」として、農作物収穫作業の手伝いに長期失業者を投入する政策を止めるよう連邦政府に求めた。ミュンテフェリング連邦労働・社会相とゼーホーファー連邦農業相が推進した規定によると、農家は今年、できるだけ多くの長期失業者を収穫作業に投入するために、東・中央ヨーロッパからの季節労働者数を2005年の80%以下に制限しなければならない。国内の労働力が足りない場合にのみ、前年の90%に引き上げることが認められる。

 ゾンライトナー会長によると、農家は長期労働者の採用に努めたが、実践では機能しないことが明らかになった。多くの農家では重要な収穫期に労働力が欠けたために、大きな損失を余儀なくされたという。

 ドイツ農業連盟がアスパラガスとイチゴの収穫期の後に395の農家を対象にアンケート調査を実施したところ、連邦雇用庁が承諾した2451人の長期失業者のうち、面接に来た人は1405人に過ぎなかった。その内の589人だけが収穫作業に来たが、267人は最初の週に来なくなってしまった。その結果、本来の収穫作業ができず、他の職場も失われてしまったという。

 キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)内でも同規定の改正を求める声が聞かれる。しかし、ドイツ農業連盟の批判にもかかわらず、ミュンテフェリング連邦労働・社会相は長期失業者を収穫作業に投入する収穫作業労働者規定を改正する考えはないことを明らかにしている。

2006年7月31日)

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