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7月の失業者数、異例の減少

   連邦雇用庁が8月1日(火)に発表したところによると、7月の失業者数は6月より1万2000人減少して438万6143人になった。2005年7月よりも45万1000人少ない。失業率は変わらず10,5%。季節調整済み失業者数は8万4000人ほど減少した。

 旧西独の失業者数は296万317人(失業率8,9%)、旧東独は142万5826人(16,7%)。失業手当 II 受給者数は前年同月比11,7%増の516万9000人、55歳以上の失業者数は4,6%減の55万8000人、25歳以下の失業者数は16,7%減の54万3000人。求人は40,3%増の62万7000人。就業者数は0,2%増の3906万4000人。

 ヴァイゼ長官は、「景気回復が雇用市場にも達した」と述べた。夏休みの時期であるにもかかわらず、7月の失業者数がドイツ統一後初めて減少したこと、社会保険加入義務のある就業者数と求人が増加したことを挙げて、「統計的に見ると、雇用市場は転機を迎えたといえる」と評価した。

 学校を卒業した若者が失業を申請し、企業も採用を控える7月に失業者数が減少した主因は景気の推進力と職業斡旋の改善であるという。失業中のハルツ IV 受給者数が初めて3万9000人ほど減少した。1ユーロ・ジョブの促進(30万人が従事)も失業者減少に貢献している。

 雇用市場のポジティブな展開を背景に、連邦雇用庁の7月末の黒字は52億9000万ユーロに達した。しかし、ヴァイゼ長官は、2007年の失業保険料率を計画されている2ポイント以上引き下げるかどうかについての言明は避けた。

 5月の社会保険加入義務のある就業者数は2623万人に5万4000人増加したが、コメルツバンクの専門家は、これは主にミニジョブと1ユーロ・ジョブによる増加であることを指摘して、楽観的過ぎる見方を警告した。経済専門家は来年の経済成長が鈍化することを予想しており、ヴァイゼ長官も今年の雇用市場の展開が来年も継続するかどうかの予測を控えている。

 一方、職業訓練市場は依然として改善しておらず、職業訓練の職場に就けない若者が昨年9月の2万8500人から今年9月は約3万1000人に増加すると見られている。

 連邦政府は雇用市場のポジティブな展開を歓迎する一方で、今後もさらに改革を推進していかなければならないことを強調した。

2006年8月15日)

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