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連邦政府、中途退学者の半減を目指す

  シャヴァン連邦教育相は初等中等教育における中途退学者の半減を目指すイニシアティブを州政府と共同で実施することを明らかにした。2012年までに中途退学者を半減させることを目標とする。現在、10%弱の生徒が卒業資格なしに退学している。また、このイニシアティブでは、経済界の需要に対応するために、技術への関心を高めることも目指す。

 ドイツ経済研究所の調査結果によると、2004年はハウプトシューレ中途退学者が約8万2000人だった。また、246000人の職業学校生は職業訓練終了資格を取得できなかった。中途退学は国にとって約15億ユーロの負担になるという。ここ数年間、中途退学者数はほとんど変わっていない。

 教育・学術労働組合(GEW)は連邦教育相の計画を歓迎する一方で、ハウプトシューレにおける根本的な問題を指摘している。経済界ではハウプトシューレ卒業資格が全く評価されないために、ハウプトシューレの生徒が職業訓練の職場を見つけるチャンスがほとんどないのが現状であるという。

 そこで、ハウプトシューレの質を高めるために、生徒を広範囲に支援しなければならない。また、実科学校(レアールシューレ)から学習障害者のための特殊教育学校に移される生徒数少なくする努力しなければならないと提案している。

 連邦制度改革の一環として連邦が州に教育管轄権を移譲したことから、同労働組合は連邦と州の共同イニシアティブの具体的な実施に懐疑的である。これまでも連邦のイニシアティブが州の反対で成果を出せなかったケースが多い。

 OECDのPISA調査の専門家であるシュライヒャー氏は、「義務教育は学年数ではなく、達成した教育目標で測定すべきである」として、卒業資格を取得するまでを就学義務とすることを提唱している。学校卒業資格なしに退学できないようにすべきだという。

2007年1月12日)

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