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被雇用者の病欠日数、過去最低

 

 2006年の被雇用者の病欠日数は7年連続で低下し、統計を開始した1970年以来の最低となった。被雇用者が病気のために欠勤した日数は平均で7,2日であった。これは労働時間の3,29%に相当する。病欠日数は過去10年間で約20%減少した。

 ドイツ労働組合連盟の専門家は、「これは不健康な状況だ」と批判的に評価している。ドイツ人は1970年の時よりも健康になったわけではなく、仕事を失うことへの不安から病気になっても出勤しているのだという。また、上司のコントロールが厳しくなっていることも影響していると見ている。

 企業疾病保険金庫連盟の2006年度保健報告書によると、高い失業率やリストラを背景に、多くの企業がより若い、より健康な従業員を確保する傾向が強くなっている。肉体労働ではなく、頭脳労働やサービス業務の職業が増えていることも病欠日数減少の一因である。例えば、IT関係の職員の病欠日数はゴミ収集作業員の病欠日数の約半分であるという。

 欠勤の原因となる病気では、腰痛に代表される筋肉と骨格の病気が最も多い。但し、肉体労働者の減少に伴って、この病気の割合も大きく低下している。心臓と循環機能の病気も減少傾向にある。それに対して急増しているのは精神病で、その割合は1976年の4倍以上に上昇している。女性では、睡眠障害から重症のうつ病に至る精神病が3番目に多い病気である。

 ドイツ労働組合連盟によると、職場を失うことへの不安やいじめ、「見て見ぬふりの職場環境」も精神病の増加を促しているという。景気が回復し、失業の不安が軽減されれば、再び病欠日数が上昇するのではないかと同連盟は予想している。

2007年1月29日)

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