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新しいパスポートに電子指紋導入

 連邦内務省によると、今年111日以降に発行される電子パスポートは安全保障を著しく高める。世界で最も偽造しにくいパスポートの一つだという。また、旅券検査が大幅に簡略化されることが期待されている。

 ドイツはEU最初の国として、2段階で電子パスポート(ePass)を導入する。200511月以降に発行された旅券は写真をデジタル記憶したチップを備えている。この初代電子パスポートはこれまでに430万個発行された。

 EU加盟国は20096月までにチップ上に指紋を記憶させることを義務付けられている。ドイツでは今年111日から、デジタル写真に加えて、チップ上に2つの指紋が記憶される。法律上、指紋は写真とは異なり、住民登録課に保存されない。また、旅券上で指紋は見えず、旅券のチップ上に記憶される。技術専門家は、チップ上に記憶されたデータの不当な読み込みはできないと保証している。

 毎年平均で250万件のパスポート申請がある。新しい電子パスポートは10年間有効で、料金は59ユーロ。子供用パスポート(12歳以下の子供)は13ユーロである。従来のパスポートは有効期限が切れるまで使用できる。

 連邦政府は指紋を中央旅券登録簿に保存する計画であったが、個人データ保護団体が指紋を採ることに猛反対したことから、それを断念した。新しい旅券法では、指紋は市町村の旅券登録簿に保存されず、パスポート作成後にデータは削除される。また、複雑な技術上の安全措置がデータへの不法アクセスを防止するという。

2007年10月12日)

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