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9月の失業者数、1995年の水準に低下

   ドイツ雇用市場の回復は9月も加速的に進展した。連邦雇用庁が9月27日(木)に発表したところによると、9月の失業者数は8月より162000人減少して3543368人になった。これは1995年以来の最低水準である。1年前より694000人少ない。秋から大学に入学したり、職業訓練を始める若者が多いことから、若い失業者数は8月よりも103000人減少した。失業率は1,7ポイント低下して8,4%。

 旧西独の失業者数は2334460人(失業率7,0%)、旧東独は1208908人(14,1%)。失業手当 II 受給者数は前年同月比5,0%増の5199000人、55歳以上の失業者数は20,2%減の434000人、25歳以下の失業者数は19,6%減の424000人。求人は1,4%増の629000人、就業者数は1,6%増の39859000人。

 ヴァイゼ長官は、「この展開が続けば、今年の年度超過額は5065億ユーロになる」と予想している。今年は42億ユーロの欠損が見込まれていたが、失業者の減少と就業者の増加が支出減少と収入増加をもたらした。8月の就業者数は3971万人で、ドイツ統一以来の最高水準にある。社会保険加入義務のある就業者数も増加しており、7月は1年前より55万人増えて2689万人だった。

 ミュンテフェリング連邦労働相は、「55歳以上の失業者数が1年前に比べて約20万人減少したことは喜ばしい」と語った。これまで職業斡旋が難しかった失業者の就職のチャンスが全般的に好転しているという。

 連邦内閣は20081月1日に失業保険料率を4,2%から3,9%に引き下げることを決定しているが、それ以上の引き下げを求める声が大きくなっている。

 連邦雇用庁は、世界的な金融危機と石油価格の高騰にもかかわらず、失業者数予測を下方修正する根拠はないとして、今年の年平均失業者数は380万人、来年は350万人と予想している。通常、景気の影響は約 6ヵ月後に雇用市場に現れてくることから、短期的には現在のポジティブな展開がほとんど変わらないのでないかと見る専門家が多い。

2007年10月12日)

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