ドイツのニュース

ドイツの教科書には間違いが多い

  商品テスト財団が高等学校(ギムナジウム)の生物と歴史の教科書17冊を調査した結果を発表した。ドイツの教科書には間違いが多く、教授法上の問題があることが明らかになった。

 ゲオルグ・エッケルト教科書研究所の大学教授が商品テスト財団の委託で、ニーダーザクセン州とノルドライン・ヴェストファーレン州、バーデン・ヴュルテンベルク州で認可されている教科書から無作為に抽出したギムナジウム用教科書(7年生~10年生)を調査した。

 10冊の生物の教科書では、平均して5ページごとに重大な誤りがあった。2冊では3ページごとに間違いがあった。7冊の歴史の教科書でも同様に間違いが多かった。年号の間違いのほか、例えば欧州連合や旧東独の説明が十分でなかった。

 教授法上の問題も多く、例えば、説明が不必要に難しい。生物と歴史の教科書の中で、専門的にも教授法上も「良」の評価を受けたのはそれぞれ1冊だけだった。

 同研究所によると、ドイツでは歴史の教科書だけでも約600の教科書が認可されている。また、ドイツには3000のカリキュラムがある。商品テスト財団は、ドイツ教育制度における連邦制に教科書の質の問題の主因があると見ている。

 そこで、商品テスト財団は、全国統一した教科書を導入するよう州政府に呼びかけた。教育・学術労働組合は、教科書の欠陥を受け入れることはできないとして、統一化も検討すべきだという見解である。また、教育連盟は、出版会社が十分に検査していないことを指摘して、教科書の質を検査する連邦レベルの機関を設置することを提案している。

 それに対して、各州の文相は調査結果を検討してから評価するとして、控え目に反応している。但し、全国統一した教科書の導入には反対している。教科書出版会社も統一化しても間違いを無くすことはできないという見解である。

2007年10月12日)

戻る