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全国文相会議、全国統一した教育水準の導入を決定

 シャヴァン連邦教育相は全国高校卒業試験の導入を提唱しているが、全国文相会議は1017日(水)、全国高校卒業試験を拒否して、全国統一した高等学校教育水準を導入することで合意した。2010/2011年度からドイツ語、数学、第一外国語(英語あるいはフランス語)、自然科学(生物、化学、物理)に全国統一した高等学校教育水準が適用される。

 全国文相会議は2003年に中等教育修了資格(10年生)のための全国統一した教育水準を決定した。また、2004年には基幹学校(9年生)と基礎学校(4年生)のための統一教育水準を導入した。今回の高等学校教育水準の導入は教育水準統一化政策の一環である。

 教育課程(カリキュラム)が「いつ、どのテーマを授業で学ぶか」を規定しているのに対して、教育水準は生徒が卒業時に習得していなければならない標準を定義する。

 この全国統一した教育水準は、教授法学者/教師/文部省官吏が作成し、全国文相会議が決定する。2004年にベルリンに設立した教育制度品質開発研究所(IQB)がこの教育水準を作成し、適切な課題(試験問題)のプールを開発することになる。

 IQBが開発したテストを全国的に実施することにより、生徒が教育水準を達成しているか否かが明らかになる。テスト問題の開発には多数の研究者、特にOECDのPISAチームの研究者が参加する。

 全国文相会議は統一した全国高校卒業試験の導入には反対しているが、教育水準統一化システムをさらに進めて、高等学校卒業試験の問題を中央にプールし、各州がそこから試験問題を作成することも考えられる。但し、採点が統一されないため、公正な評価は難しいと見られている。

 現在、ほとんどの州が州内統一した高等学校卒業試験を実施しているが、ラインランド・プファルツ州だけは依然として学校ごとの卒業試験を固持している。

2007年10月29日)

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