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経済諮問委員会、2008年度経済予測を発表

    経済諮問委員会は117日(水)、2008年度経済予測を発表した。世界経済のリスク増大を背景に、ドイツ経済の成長は鈍化すると予想している。

 経済予測によると、実質国内総生産の成長率は2007年が前年比2,6%(2006年は2,9%)、2008年が1,9%で、年平均失業者数は2007年が3783000人(失業率9,0%)(2006年は4487000人)、2008年が3463000人(失業率8,3%)、消費者物価は2007年が+2,1%(2006年は+1,7%)、2008年が+2,0%の見通しである。財政赤字は2007年が国内総生産比0,0%(2006年は-1,6%)、2008年は黒字に転換して+0,2%と予測している。

 経済諮問委員会は連邦政府に対して、「ドイツ経済のカムバックに貢献した」改革からの逆戻りを警告し、改革路線を継続するよう勧告した。リュールップ委員長は、「せっかく改革で得た配当を棒に振ってはならない」と述べ、「明確な経済政策上の戦略が見られず、選挙のための方向転換が透けて見える」と、連邦政府を厳しく批判した。

 また、経済諮問委員会は、50歳以上の失業者の失業手当 I 受給期間の延長、67歳への年金受給開始年齢引き上げの撤回、ドイツポストの最低賃金導入、構造的財政赤字削減前の早急な租税引き下げなどは景気上昇に悪影響を及ぼすとして反対を表明した。

 キリスト教民主同盟(CDU)は、「建て直し/投資/改革の路線をさらに継続しなければならない」として、経済諮問委員会の勧告を歓迎した。グロース連邦経済相は経済諮問委員会の批判を「重大かつ正当な警告」と評価している。経済団体も同委員会の明確な発言を歓迎している。

 それに対して、社会民主党(SPD)と労働組合からは経済諮問委員会の経済政策上の勧告に対する批判の声が聞かれた。

2007年11月16日)

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