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ドイツ人の貯蓄率が上昇

 

 ドイツ人の2007年上半期の貯蓄率が10,9%に上昇した(2006年下半期は10,4%)。これは1995年の水準(11%)である。可処分所得は7675億ユーロ、貯蓄は836億ユーロ、一人当たり貯蓄額は平均で1020ユーロだった。

 ドイツ連邦銀行によると、貯蓄率上昇の背景にはいくつかの要因があるが、一般的には個人的な老後の蓄えの必要性についての論議が活発になっていることが国民を貯蓄に導いているという。

 また、今年1月1日の付加価値税引き上げも特別要因として挙げられる。市民が消費財の購入を2006年に前倒ししたために、2007年上半期の支出が減少し、その分が貯蓄ないし投資に回された。専門家は、この貯蓄率上昇は一時的なもので、まもなく小幅に低下すると予測している。

 ドイツ市民は2006年に約1280億ユーロの貨幣性資産を形成した。積み立て型保険に510億ユーロ、金融機関に420億ユーロ、確定利付証券に370億ユーロを投資している。住宅建設を中心とする実質投資は360億ユーロであったが、投資ファンドへの出資は80億ユーロ、株式保有高は50億ユーロそれぞれ減少した。

 2006年末の国民の純資産は8兆400億ユーロで過去最高だった。その内の5兆800億ユーロが有価物件、2兆9600億ユーロが貨幣性資産で、市民一人当たり純資産は平均で97710ユーロであった。

 銀行専門家は、老後のための長期的貯蓄と適切な資産運用を呼びかけている。

2007年11月16日)

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