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3分の2のドイツ人にはほとんど財産がない

 

 ドイツ経済研究所(DIW)が社会経済パネル(SOEP)の世論調査データに基づいて分析した資産分配調査結果によると、ドイツ人の実質資産は平均で約81000ユーロであるが、人口の約3分の2には資産がほとんどない。中央値(メディアン)は約15000ユーロである。

 人口の10%に当たる最も裕福な層が総資産のほぼ60%を所有している。それに対して、人口の3分の2が所有している資産は総資産の約10%に過ぎない。SOEPによると、2002年の総資産は実質で約5兆4000億ユーロった。

 地域別に見ても大きな格差が顕著である。旧西独の市民の財産は平均で約91500ユーロと、旧東独の市民の2,6倍であった。これは特に旧東独の不動産販売価格が低いこと、不動産所有率が低いこと、負債が多いことに起因しており、貨幣性資産は旧西独水準のほぼ60%に達しているという。

 男女の格差も大きい。男性の資産は平均で約96000ユーロで、女性(約67000ユーロ)よりも約40%多い。

 また、移民の資産はドイツ人の平均資産の半分以下であった。但し、旧西独の移民の資産は平均で旧東独のドイツ人よりも多かった。

 最も裕福なのは旧西独の56歳~65歳のドイツ人で、実質資産が平均で約15万ユーロ。旧西独の36歳~45歳のドイツ人は平均で9万ユーロ弱だった。

 DIWの研究者は、ドイツの資産分配の不均等は所得分配の不均等よりも大きいと指摘している。所得分配の不均等はここ数年間に多少拡大しているが、国際平均でも比較的少ないという。

2007年11月16日)

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