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私立校に通う生徒が増えている

 

 ドイツでは、私立校に通う生徒が増えている。連邦統計局によると、2006/2007年度は私立の普通校及び職業学校は4711校だった。これは対1992年比45,8%増に相当する。特に、私立校がほとんどなかった旧東独でほぼ5倍に増加している。普通校は2867校。私立普通校の割合は全体の7,9%、私立普通校の生徒の割合は全体の7,0%である。

 全部で892000人(前年比 2,2%増)の生徒が私立校に通っている。特に私立校の生徒の割合が高い州はザクセン、バイエルン、ハンブルク、バーデン・ヴュルテンベルクである。普通校では、私立校の生徒の割合が旧西独で約7%、旧東独で約5%。職業学校では私立校の生徒の割合が8,5%で、旧東独が15%。

 しかし、私立校の生徒の割合は全体の7,3%と、EU諸国に比べてまだ少ない。フランスは約20%、オランダは70%以上、EU平均で約20%である。私立校連盟によると、ドイツでは官僚主義的手続きが複雑で、公的補助金が少ないために私立校の設立が難しいという。

 一方、私立校に批判的な教育・学術労働組合は、私立校増加はドイツの学校制度における社会的不公平をさらに拡大させると警告している。私立校の授業料は年間10004000ユーロである。

 統計によると、私立校では特にギムナジウム(高等学校)が多い。2006/2007年度はギムナジウムの生徒の10%が私立校の生徒だった。州別に見ると、最も少ないのがシュレースヴィヒ・ホルシュタイン州で 2,0%、最も多いのがノルドライン・ヴェストファーレン州で16,5%、次がザールランド州(14,0%)、ラインランド・プファルツ州(13,8%)、ヘッセン州(10,8%)、バイエルン州(10,2%)だった。

 しかし、大学入学資格を取得するギムナジウム卒業生の割合は私立校も公立校も 85%で変わらない。バーデン・ヴュルテンベルク、ブランデンブルク、シュレースヴィヒ・ホルシュタイン、チューリンゲンなどの州では公立校の方が卒業生の割合が高かった。

 また、私立校に通う生徒では、男子よりも女子の方が多い。外国人の子供も比較的少ない。親が挙げる私立校の利点は少人数のクラスであるが、この願望は必ずしも達成されていない。私立のレアールシューレ(実科学校)では平均で一クラス28人と、公立校よりも1人多い。

2007年12月30日)

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