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連邦議会、年金支給開始年齢適合法案を可決

 連邦議会は3月9日(金)、年金支給開始年齢適合法案を可決した。採決に出席した408人の議員の内169人が反対した。社会民主党議員では11人が反対、4人が棄権、14人が欠席した。キリスト教民主・社会同盟の議員は全員賛成したが、10人が欠席した。野党は「同法は違憲」として、反対票を投じた。同法案は連邦参議院の同意を必要とする。(2006125日のニュースを参照)

 年金支給開始年齢適合法案によると、年金支給開始年齢は2012年から2029年までの期間に段階的に65歳から67歳に引き上げられる。2023年までは毎年1ヶ月ずつ、2024年からは毎年2ヶ月ずつ増えていく。最終的には、1964年以降に生まれた人は67歳で法定年金を満額受給できるようになる。

 但し、例外規定があり、45年以上年金保険料を納めた人は従来通り65歳で年金を満額受給できる。また、保険期間が35年以上の人は将来も63歳から年金を受給できるが、年金は減額される(1ヶ月当たり0,3%)。

 一方、連邦議会は、年金支給開始年齢適合法案に付随するプログラムとして、50歳以上の被雇用者の雇用市場におけるチャンスの改善を目的とする、賃金補助金と継続教育から成る「イニシアティブ50プラス」も可決した。

 このプログラムでは、失業前よりも少ない実質賃金の職場に就く50歳以上の失業者は2年間、賃金差額分の一部を国から支給される。また、50歳以上の失業者を継続的に雇う使用者には雇用局から補助金が支給される。この補助金は最低1年間、最高3年間支給され、賃金コストの3050%。

 労働組合は、引き続き抗議運動を続けることを表明した。高齢者のための職場が十分に提供されなければ、年金支給開始年齢の引き上げは事実上の年金削減だと批判している。

2007 年3月12日)

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