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ドイツの年金生活世帯の平均実質所得は1953ユーロ

 

 ポストバンクとアレンスバッハ世論調査研究所の調査結果によると、ドイツの年金生活者の家計状況一般に報道されているほど悪くないことが明らかになった。年金生活者の世帯の実質所得は月額1953ユーロである。

 但し、東西と南北の格差が顕著である。裕福な年金生活者は南西ドイツとライン・マイン地方に多く、実質所得は平均で2207ユーロ。最も少ないのはメクレンブルク・フォルポメルン州の1579ユーロ。旧東独の年金生活者の実質所得は平均で月額1645ユーロで、旧西独の年金生活者の実質所得(2034ユーロ)より19%ほど少ない。

 この調査の対象となった年金所得は法定年金保険から支給される年金だけでなく、生命保険からの収入、企業年金、家賃及び利子からの収入なども含まれている。この所得の種類でも東西の違いが顕著である。旧西独では、年金生活者の89%が法定年金保険からの年金を受給しているが、旧東独では92%。旧西独では37%が企業年金を受給しているが、旧東独では9%だった。

 また、旧西独では年金生活者の約半分が自分の住居を所有しているのに対して、旧東独では28%に過ぎなかった。旧西独の年金生活者の10%は株を持っているが、旧東独では5%。

 年金生活者の所得は学歴にも大きく依存している。高校ないし大学を卒業した平均的年金生活者の実質所得は月額約2500ユーロで、高校ないし大学卒業資格のない年金生活者(1830ユーロ)よりも36%ほど多い。特に公務員の年金が高く、約2600ユーロで、ドイツの平均的就業者の実質所得に相当する。

 連邦政府の2005年度貧富報告書によると、65歳以上の人は他の年齢層と比べて、比較的有利な所得状況にある。2002年は社会扶助を受給している高齢者の割合が1,3%で、国民全体の平均(3,3%)を大きく下回っていた。

 一方、社会連盟VdKのヒルリンガー会長は、年金引き上げ据え置き、疾病保険料引き上げ、付加価値税引き上げなどを要因として、多くの年金生活者の家計がますます厳しくなっていると警告している。

2007年3月12日)

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