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州首相会議、広範囲な非喫煙者保護で合意

 州首相会議は3月22日(木)、広範囲な非喫煙者保護で合意した。但し、多くの例外規定を認め、各州が独自の例外規定を決定できることから、全国統一した非喫煙者保護法は実現しない。各州は遅くとも今年末までに州法案を成立させる予定である。州法案成立には州議会の同意を必要とする。(20073月12日のニュースを参照)

 州首相会議が合意した非喫煙者保護によると、公共施設、官庁、公共交通機関、劇場、映画館、病院、大学、学校、幼稚園における喫煙は全州で完全に禁止される。但し、老人ホームは個人住居を考慮して例外が認められる。また、個人住居同様に、プライベートなクラブやクラブハウス(協会の集会所など)における喫煙も認められる。但し、小さな飲食店を単に「クラブ」に改名することは認められない。

 飲食店では全面禁煙を原則とするが、例外規定が認められる。1室しかない飲食店とディスコにおける喫煙(紙巻タバコ、葉巻、パイプ) は完全に禁止される。但し、「密閉された奥の部屋」のある飲食店は例外として、「密閉された奥の部屋」における喫煙を認められる。「密閉された奥の部屋」で食事もできるか否かは各州が決定できる。ディスコやダンスのできるレストランには全面禁煙が適用され、「奥の部屋」の例外はない。

 バイエルン州は、上述の禁煙が仮設ビアホールには適用されないことを明確にした後で、州首相会議の決定に同意した。従って、仮設ビアホールにも例外規定が適用される。ノルドライン・ヴェストファーレン州とザールランド州、ザクセン・アンハルト州は、経営者が喫煙を意味する「R」を表示した飲み屋(Kneipe)では喫煙を認める意向である。

 社会民主党(SPD)が政権を握る州は例外規定のない全面禁煙に同意したが、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)が政権を握る州の内のいくつかの州は例外規定を留保することを議事録に明記させた。

 SPDは、「給士も他の被雇用者同様に職場で間接喫煙の危険から保護されなければならない」として、労働保護法の改正(飲食店内の「密閉した喫煙室」で給仕できないようにする)により、飲食店における全面禁煙を達成するよう連邦政府に求めている。すでにSPDは、「間接喫煙の危険からの被雇用者の保護が州ごとに異なるのは受け入れられない」として、「労働保護法に基づく全国統一した禁煙」イニシアティブを立ち上げている。連邦制度改革では旅館・飲食店領域は州の管轄となったが、連邦は引き続き、全州に拘束力のある労働保護を制定することができる。

 医師会のホッペ会長は、「間接喫煙の危険性を認識しているにもかかわらず、分別のない喫煙者と飲食店経営者を満足させるために、新しい例外規定を探し出してくるのは愚鈍に過ぎない」と厳しく批判した。飲食店や酒場における喫煙は客と給仕にとって極めて有害であるという。

 一方、バイエルン州は最初の州として、バイエルン州非喫煙者保護法案を閣議決定した。それによると、官庁、公共施設、公共交通機関、劇場、映画館、病院、博物館、大学、学校、幼稚園、一室しかない飲食店/バー/酒場は全面禁煙となる。仮設ビアホール、密閉した喫煙室のある飲食店とディスコには例外規定が適用される。同州はディスコにおける喫煙を青少年保護の理由から完全禁止する意向であったが、ディスコを音楽喫茶やダンス喫茶と明確に区別できないために、法的にディスコだけ全面禁煙にすることができなかったという。また、警察及び司法当局の尋問室における喫煙も例外として認められる。州議会が同法案を可決すれば、20081月1日に発効する。

2007 年3月28日)

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