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若い女性の旧東独離れが深刻化

    ベルリン人口問題究所が5月30日(水)に発表した調査結果によると、旧東独から旧西独へ移住する女性の増加が旧東独における男性過剰を深刻化していることが明らかになった。

 1991年~2005年の期間に40万人の若い女性が旧東独から旧西独へ移住した。若い男性は27万人。特に過疎化の激しい地方では、若い男性100人に対して若い女性は80人に減少している。

 旧東独では、18歳~29歳の高等教育を受けている女性は旧西独へ移住し、教育水準の低い、失業している、将来の見通しのない、パートナーのいない若い男性が残される」という現象が顕著である。男性過剰の地域では極右思想が強く、ますます若い女性が離れていくという悪循環が見られ、「男性過剰の新しい下層階級」が形成されている。

 旧東独では教育における男女の格差が大きい。高校卒業試験準備クラスでは、3分の2が女子で、3分の1が男子である。それに対して、学校卒業資格のない若者の3分の2は男子。女子の方が男子よりも良い成績で学校を卒業している。高等教育を受けた女子は旧西独で大学に進学することも、将来性のある職業訓練の職場に就くこともできる。

 専門家はこの男女の格差の原因として、子供が育つ環境における女性の優勢を指摘している。母子家庭が多く、幼稚園や小学校では女の先生の割合が極めて高い。また、親が息子よりも娘に高等教育を奨励する傾向が強い。

 旧東独における女性不足は欧州で唯一の現象であるという。旧東独では若い男性の失業率の方が高く、旧西独へ移住する男性もいるが、再び旧東独に戻ってくる確率が高い。男性の方が未知の土地や職場への適応が難しいという。旧西独出身の女性をパートナーとする旧東独の男性は3%に過ぎないが、旧西独出身の男性をパートナーとする旧東独出身の女性はその3倍である。

 一方、連邦統計局によると、2006年は155000人のドイツ人が外国へ移住した。これは1990年以来の最高水準である。2005年よりも7%増加した。

2007年6月18日)

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