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人工妊娠中絶件数が減少

 

 連邦統計局によると、2007年第1四半期は人工妊娠中絶件数が約3万1400件と、前年同期比4,4%減少した(1400件減少)。2006年は全部で119710件の人工妊娠中絶が行われた。

 ドイツでは、妊娠相談を受けた証明があれば、妊娠12週未満の中絶が法的に可能である。しかし、様々な理由で厳しい状況にあっても子供を産む女性が増えており、中絶件数は年々減少している。

 産婦人科医、妊娠相談所、教会はこの統計結果を妊娠相談サービスの成果と評価している。バイエルン州産婦人科医連盟は、確実な避妊方法の情報が若者に浸透してきたために、望まない妊娠が減少していると見ている。

 また、子供に対する価値観の変化も指摘している。中絶するか否かを迷う多くの女性が最終的には出産を選んでいる。人工授精を試みる40歳前後の夫婦も増えており、「子供」が一種の社会現象になっているという。

 妊娠相談所によると、特に未成年者の中絶件数が大きく減少している。その傾向が最も著しいバイエルン州では、2006年に中絶した未成年者は647人で、2005年より20%少なかった。効果的な相談サービスの成果だという。最近の家族政策が子供重視になっていることも中絶減少の要因と見られている。

2007年6月18日)

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