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東西ドイツの格差は依然として大きい

   旧東独復興を担当するティーフェンゼー連邦交通相が 9月19日(水)に発表した「ドイツ統一の状況」報告によると、東西統一後17年が経った今も東西ドイツの格差は大きい。旧東独は依然として経済的に自立しておらず、連帯支援資金プログラムが終了する2019年末まで旧西独からの援助に依存する状態が続く見通しである。同相は東西の生活水準が同じになるまでにはさらに20年はかかると見ている。

 西から東に莫大な資金が投入され、格差が徐々に縮まってきたにもかかわらず、旧東独の国民一人当たり国内総生産は旧西独の 67,3%に過ぎない。旧東独内の地域格差は少なく、経済的に最も成長しているザクセン州でも 68,4%であった。旧東独の税収入は旧西独の 45%に過ぎず、旧西独からの連帯支援に依存している。連帯支援資金プログラムでは、2019年までに約1560億ユーロの資金が投入される。東西統一以来、インフラだけでも 670億ユーロが旧東独に投入された。

 旧東独の経済成長の最大の障害になっているのは高い失業率で、いまだに旧西独(7,3%)の2倍(14,7%)である。長期失業者(ハルツIV受給者)の減少幅は8%で、旧西独(20%)を大幅に下回っている。また、ネオナチによる暴力が投資家の市場参入を妨げている。少子高齢化、若い労働力の流出も不安要因である。

 しかし、ティーフェンゼー連邦交通相は、旧東独の経済成長が1990年代半ば以来再び旧西独を上回るようになってきたことから(2006年の旧東独の経済成長率は3%、旧西独は2,7%)、ゆっくりながらも東西格差が縮小していくと、今後の展開を楽観的に見ている。

2007年9月26日)

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