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教育の平等は学校制度に依存しない

 

 チューリッヒの教育学者、ヘルムート・フェンド氏がヘッセン州で実施した「ライフ」調査では、「教育の平等」は総合制学校(Gesamtschule)と三分枝制度の学校(基幹学校/実科学校/高等学校)の間で差がないことが明らかになった。これまでの様々な調査では、総合制学校の方が三分枝制度の学校よりも教育水準の低い層の子供に公正なチャンスを与えると指摘されていた。

 フェンド氏はヘッセン州の12歳の子供1527人を 23年間観察してきた。その内の3分の1は総合制学校の生徒、3分の1は三分枝制度(4年生の後に進路が分かれる)の学校の生徒、3分の1は 6年生の後に進路が分かれる学校の生徒である。

 フェンド氏は、「若者が職業訓練を受けるか、あるいは大学に進学するかは親の社会的地位に依存している。学校の種類には依存しない」と総括した。大卒者の子供が大学卒業資格を取得する可能性は労働者の子供の12倍だという。

 フェンド氏は、不利な環境の子供の進学チャンスを改善するために、適切な早期教育と全日制学校を提唱している。また、職業教育をする高等学校(ギムナジウム)のように、基幹学校(ハウプトシューレ)と実科学校(レアールシューレ)の生徒がさらに学べる教育の場の提供を拡充しなければならないと述べた。

 4年生の後に進路を分ける三分枝制度は、上のコースへ進む道を閉ざさなければ正当化されるという。しかし、最近深刻化している基幹学校の問題を解決するためには、二分枝制度(実科学校と高等学校)の方がよいという見解である。

2008年1月18日)

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