ドイツのニュース

4人に1人は本を読まない

   

    読書財団の「2008年度ドイツにおける読書」報告書では、本を読まない人が増えていることが明らかになった。ドイツ人の4人に1人は本を読まない。

   同財団は1992年から2500人以上の青少年(14歳以上)と成人を対象に世論調査をしてきた。今回の調査は3回目で、移民系市民も含まれている。

   移民系市民の読書傾向はドイツ人とほとんど変わらない。36%は週に1回~数回本を読んでおり、11%は毎日読んでいる。学歴が高くなればなるほど、本を読む傾向にある。

   また、親の読書傾向が子供に決定的な影響を与えている。但し、移民系市民では、親が本を読まない家庭の子供のうち、本を読む子供の割合がドイツ人の場合よりも高い。

   年間50冊以上の本を読む人は3%で、この割合は1992年以降ほとんど変わっていないが、時々本を読む人が減少している。月に1冊~4冊の本を読む人が顕著に減少した。8年前は約3人に1人が年間1150冊の本を読んでいたが、2006年は4人に1人に減っている。

   本を読まない人は25%で、8年前とほとんど変わらない。24%は「読書が趣味」で、20%は読書を情報源としている。12%はコンピューターにも本にもオープンで、多くのメディアを利用している。11%は本よりもコンピューターを好んでいる。8%は完全にメディアを拒否している。

   特に男性、若い成人、高学歴者では、印刷されたテキストとデジタルテキストの差がなく、ディスプレー上で比較的長い文章も読むし、携帯電話の本も利用している。

   1419歳の年齢層の若者の45%は、子供の時に本をプレゼントされたことが一度もないと回答している。1992年は72%が本を何度もプレゼントされたと回答していた。

   一世帯当たりの本の数も減少している。読書は親の影響が大きい。親が本を読まない家庭では子供も本を読まない。読解力不足は学校のすべての教科に影響してくるので、正しく読めない生徒は数学や歴史でも遅れる傾向にある。読書財団は、幼稚園や学校で言語と読解力の学習をもっと強化するよう求めている。

2008年12月15日)

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