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ドイツ鉄道の3分の1の電車は遅れて発着

    商品テスト財団が昨年秋に行った調査結果によると、ドイツ鉄道の遠距離電車で定刻発着している電車の割合は 46%に過ぎなかった。ケルン中央駅では 3分の1の電車が 4分以上遅れて到着した。ドレスデン中央駅とハンブルク中央駅では 3分の2以上の電車が 4分以上遅れて到着した。

 ところが、ドイツ鉄道の社内調査によると、すべての電車(旅客輸送)の年平均の定刻発着率は 90%以上となっている。ドイツ鉄道は、商品テスト財団の調査はその期間と規模からして標本調査ではないと批判している。

 商品テスト財団は20079月23日~1031日の期間に、全国10ヶ所の中央駅で 94000以上の遠距離電車とローカル電車を調査した。ドイツ鉄道が延着の定義を「5分以上の遅れ」としているのに対して、商品テスト財団は「4分以上の遅れ」を基準にしている。

 ドイツ鉄道は、9月と10月は架線工事が多い月だったので、1年間の標本調査とはいえないとしているが、商品テスト財団は架線工事による運行変更を考慮したことを強調した。勿論、すべての遅れがドイツ鉄道の責任ではなく、天候による遅れもあるという。

 同財団はドイツ鉄道に対して、財団の調査が標本調査ではないと批判するのであれば、秘密主義を止めて、独自の統計を公表すべきだと反論している。また、近距離電車、遠距離電車など電車の種類ごとに定刻発着率を発表するよう求めている。

 これまで、ドイツ鉄道は旅客輸送の統計だけを発表してきた。定刻発着率の高い近距離電車(Sバーンやローカル電車)と一緒にまとめて算定することで、定刻発着率の低い遠距離電車の統計を実際よりも良く見せていると、同財団は批判している。

 ドイツ交通クラブ(VCD)の鉄道専門家も同財団の調査を標本調査として評価し、ドイツ鉄道が毎月の延着率を発表しないことを批判した。ドイツ鉄道に対して、調査方法やデータの根拠に関する情報と共に統計結果を公表するよう求めている。

2008年2月11日)

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