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バイエルン州政府、トランスラピッド計画を断念

 バイエルン州政府は 3月27日(木)、ミュンヘン空港/ミュンヘン中央駅間にリニア・モーターカー「トランスラピッド」を導入する計画を断念すると発表した。

 プロジェクトの最新見積りが昨年9月の185000万ユーロから 34億ユーロに膨れ上がったため、連邦政府とバイエルン州政府、メーカーのコンソーシアムは負担不可能と判断した。特に増大した建設経費ゆえに、費用便益の観点からもはや採算が合わないことが明らかになった。

 トランスラピッドプロジェクトには連邦がコストの半分の 9億2500万ユーロ、バイエルン州が 4億9000万ユーロ、ミュンヘン空港が 1億ユーロ、ドイツ鉄道が 2億3500万ユーロを負担する計画であった。メーカーのジーメンス社とテュッセン・クルップ社は、コスト増加の原因は建設コストにあるとして、建設会社を批判している。

 現在、ミュンヘン空港/ミュンヘン中央駅間(37km)は S-バーン(都市近郊電車)で約45分かかるが、トランスラピッドでは10分に短縮される予定だった。バイエルン州政府は「エクスプレスSバーン」などの別の方法でミュンヘン空港/ミュンヘン市内の接続の改善を図る意向である。

 ミュンヘンにおける建設が中止になったことから、ドイツ国内でトランスラピッドを実現する夢は閉ざされた。

2008年4月15日)

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