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ドイツの医療は二階級医療?

    ケルン大学の調査結果によると、医者の予約を取る場合に、法定疾病保険加入者は私的疾病保険加入者よりも 3倍も長く待たなければならない。同大学の保健経済研究所は 2006年春にケルン/ボン/レーヴァークーゼン地区の 189ヶ所の専門医診療所を調査した。対象になったのは救急治療ではなく、肺機能テスト、眼科検診、聴力検査、胃鏡などの治療。

 例えば、胃内視鏡の予約では、格差は 4,6日(平日)から 25日に至る。法定疾病保険加入者は胃鏡検査の予約において平均で 36,7日待たなければならないのに対して、私的疾病保険加入者は 11,9日だった。聴力検査では、法定保険加入者の予約待ちが 6,8日、私的保険加入者が 2,2日。

 連邦医師会は基本的にケルン大学の調査結果を認めた。しかし、法定保険加入者と私的保険加入者ではサービスに差があるが、治療の質には差がないとして、二階級医療の批判を退けた。

 現行の法定疾病保険制度では、法定疾病保険加入者に対する治療と医薬品処方には四半期ごとの予算が医者に割り当てられているため、予算をオーバーしてしまうと、医者は無償で治療することになる。それを避けるために、救急でない場合は法定保険加入者の予約を次の四半期に回すケースが多い。私的疾病保険加入者にはこの制約がない。

2008年4月15日)

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