ドイツのニュース

生徒の 20%はストレス症候群

 

 世界保健機構(WHO)の調査結果では、学校でのストレスで生徒が病気になることが明らかになった。この調査は欧州と北米の 41カ国で行われ、ドイツでは11歳~16歳の生徒が参加した。

 ドイツでは、20%の生徒が吐き気や頭痛、腹痛、睡眠障害などの心身障害を訴えている。専門家によると、このストレス症候群は学校生活とも密接に関係している。学校と授業をポジティブに感じる傾向が強ければ強いほど、心身障害にはならない。また、個人的要素、家庭要素、社会的要素が特に若者に影響している。

 ドレスデン工科大学の教育学者メルツァー氏は、「学校には医薬品同様に多くの意図せざる副作用がある」と語った。しかし、学校の成績に対する心理的圧迫の増加と慢性的な心身障害の増加には関連性がないことを指摘している。むしろ心身障害の増加の原因は家庭環境と社会環境にあるという。

 生徒が最も訴えているのは頭痛と睡眠障害で、10%~18%の生徒は毎日、あるいは週に何日かこの症候群に苦しんでいると回答している。男子より女子の方が病気だと感じている。いじめも生徒の健康を害している。回答者の 5%はいじめを受けており、学校で仲間外れにされたり、殴られたりしている。特に移民の子供が被害者になっている。最近問題になっている移民の若者の暴力行為は自らの仲間外れの体験の結果でもあるという。

 研究者によると、ポジティブな学校環境は予防的に作用する。学習目標ではなく、個々の生徒が中心にならなければならない。「攻撃的な生徒、沈鬱な生徒は勉強しない」という。

2008年4月15日)

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