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男性は家庭を築くことに不安を持っている

 

 アレンスバッハ世論調査研究所が2007年に約2000人の成人を対象に行った世論調査結果によると、少子化の原因は主に男性にあるようだ。男性の 3分の1以上には子供がいない。

 45歳以下の男性のほぼ半分は、幸せな人生を送るために家庭を築く必要はないと考えている。彼らの父親の世代では 28%だった。

 女性の約 30%は、ふさわしいパートナーが見つからないため、子供が欲しくても産むことができないと回答している。

 ベルテルスマン財団法人の専門委員会は家庭に対する男性の不安の原因を究明する研究を行っている。委員会が収集したデータの評価が始まったばかりであるが、最初の結果が発表された。

 それによると、保育・教育は依然として「女性がすべき仕事」になっている。生後、幼稚園、小学校で幼児・児童の面倒を見ているのは主に女性である。ギムナジウム(高等学校)でも教師の半分以上が女性。その結果、男子には将来の父親像の模範が欠けている。

 また、経済的要素も大きく影響している。今日、大半の男性が経済的、職業的に完全に自立するのは 30歳になってからである。それから職業上のキャリアを積まなければならない。それに加えて子供に対する責任を負う余地はない。子供をつくることは障害になるだけである。

 男性が一人で経済的に家庭を支えることはもはや魅力的なモデルではなく、稼ぎ手としての父親という男性の社会的意味が薄れてきている。経済的理由から独身を通すか、子供を断念するケースが多い。

 シュミット前家族相は、家庭はグローバル化の負け組だと見ている。職業上のキャリアを優先する若い人たちはより良い職場のために転勤・転職を求められている。これは、経済的・地域的安定という家庭の要求に相反する。

 「家庭が必要とする安定」と「経済が要求するフレキシビリティー」の調和を図るために、事業所幼稚園や保育所を設置するだけでは十分ではない。家庭の父親に対する企業の考え方を変えなければならない。若い父親には、若い母親の「家庭と仕事の二重負担」に類似した「過大要求症候群」が増えている。

2008年4月15日)

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