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外国人留学生数、過去最高

 

  ドイツ学生相互扶助会によると、ドイツに留学する外国人大学生が増えている。1997年の10万人から2006年は約19万人に倍増した。

 留学先国際比較では、ドイツは米国と英国に次いで 3位。現在、大学生の約10%は外国からの留学生である。但し、ドイツが第一志望だった留学生は 43%。

 しかし、2003年以降、ドイツの大学に入学する外国人留学生が減少していることから、これ以上の増加はない見通しである。

 それに対して、外国に留学するドイツ人大学生は引き続き増加する傾向にある。1998年は約4万6000人、2000年は5万2000人、2005年は7万6000人と、継続的に増えている。今後 5年以内に10万人の大台に達すると予想されている。1998年~2005年のドイツにおける大学生数は180万~200万人だった。

 外国人留学生を出身国別で見ると(2006年夏現在)、中国からの留学生が最も多く、2万6061人。次にベルギー(1万2423人)、ポーランド(1万2301人)、ロシア(9826人)、モロッコ(7190人)、トルコ(7077人)が続く。米国は2757人、日本は1949人だった。留学生の半分以上は欧州諸国(特に東欧)からの学生で、アジアからの学生(特に中国)が約3分の1を占め、アフリカからの学生は11%。

 この調査をした2006年夏の時点では、外国人留学生はドイツの大学の魅力として授業料がないことを挙げていた。半期約500ユーロの授業料が導入されたことを理由にドイツへの留学を断念する学生がいるかどうかの統計はまだないという。外国人留学生はドイツの問題点として、学資のほか、ドイツ人学生との交流の欠如、複雑な大学制度を挙げている。

 最も多くの学生を外国に送り出している国は中国(404000人)とインド(139000人)である。次が韓国(9万6000人)で、ドイツは4位。ドイツ人の大学生が好む留学先はオランダ(1万1896人)、英国(1万1600人)、オーストリア(1万174人)、米国(8829人)、スイス(7839人)、フランス(6867人)、スウェーデン(2880人)、オーストラリア(2764人)、イタリア(1410人)だった(2005年調査結果)。

 ドイツ人学生は他の先進国の学生に比べて、外国への留学に積極的である。また、男性よりも女性の方が多い。大学生の輸出率は 3%弱。英国は 1%弱、米国は 0,2%に過ぎない。

 しかし、ドイツの大学が学士/修士制度を導入したことから、学士課程の学生は時間的に留学が難しくなるため、留学の減少が予想されている。実際、2006年夏の時点で外国へ留学した学士課程の学生は全体の17%に過ぎなかった。旧制度ではその2倍だった。

 ドイツ学生相互扶助会は、外国への留学が親の所得(資金援助)と学歴(大卒)に依存していることを批判している。留学体験が雇用市場におけるチャンスの決定的要因の一つになっていることから、留学への公的資金援助の強化を求めている。

2008年4月30日)

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