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連邦内閣、ドイツ鉄道一部民営化を閣議決定

   連邦内閣はドイツ鉄道民営化委員会の一部民営化案を承認した。ドイツ鉄道の株式上場のための特別法は制定しない。
  一部民営化案によると、
5月末に旅客輸送部門と貨物輸送部門から成る新しいホールディング会社(輸送・ロジスティクス(株)VuL AG)が設立される。この新しい輸送ホールディング会社の24,9%の株式を民間投資家に売却する。鉄道網と駅はドイツ鉄道の所有に留まり、ドイツ鉄道、従って連邦の責任下に置かれる。
  連邦政府は今秋の株式上場を目指している。売却する株式の割合が
24,9%に留まることから、国の影響力は依然として大きい。
  ティーフェンゼー連邦交通相は、「民間投資家はドイツ鉄道の企業政策の中核領域に対する決定的影響力を取得しない」と強調した。民間投資家の保有株式率と影響力の制限にもかかわらず、投資家探しは難しくないと楽観的に見ている。

  連邦政府は、株式上場による収入(
50億~80億ユーロと推定される)の3分の1ずつをインフラへの投資、ドイツ鉄道の自己資本の増資、連邦財政立て直しに充てる計画である。
  地方の輸送への悪影響を懸念して、民営化に反対する州もある。また、社会民主党(
SPD)内でも連邦内閣の民営化案を批判する声が聞かれる。SPDは民間投資家の割合を最高24,9%に限定するという条件を付けているが、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)は24,9%を最初の株式売却とみなしており、民間投資家の割合を拡大していく考えである。SPDは民間投資家の影響力が大きくなることを懸念している。

2008年5月20日)

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