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4月の失業者数、減少: 完全雇用論が浮上
連邦雇用庁が5月1日(木)に発表したところによると、4月の失業者数は3月より9万4000人減少して341万4000人になった。1年前より56万3000人少ない。失業率は0,3ポイント低下して8,1%。これは4月としては過去15年間で最も低い。
旧西独の失業者数は221万6000人(失業率6,6%)、旧東独は119万8000人(13,9%)。55歳以上の失業者数は前年同月よりも8万2000人減少して43万2000人、25歳以下の失業者数は6万4000人減の34万4000人、長期失業者数(1年以上失業)は34万4000人減の116万7000人。届出求人(雇用庁に届け出た求人)は59万2000人、民間斡旋業者の求人及び企業と雇用局のインターネット求人も含めた求人総数は103万人。
ヴァイゼ長官は、「雇用市場の基調は依然としてポジティブだ」と評価している。但し、失業者減少のテンポは減速しているという。2007年4月は前年同月比80万人減だったのに対して、2008年4月は56万3000人減と、減少の勢いが弱まってきた。求人は高水準であるが、季節調整済みの求人は9000人減少しており、大きな雇用ブームは来ないと見ている。
連邦統計局の発表によると、労働者と職員の賃金・給与は2008年1月に前年同月比3,3%上昇した。これは過去12年間で最も高い上昇率である。
雇用市場が好調に展開していることから、完全雇用論争が浮上してきた。ドイツ労働組合連盟のゾンマー委員長はメーデーの集会で、「目標は完全雇用だ。雇用の確保と創出を志向する投資政策が企業に求められている」と語った。社会民主党(SPD)のベック党首とショルツ連邦労働相も「今後10年間で完全雇用を達成できる」と楽観的な見方を示した。
キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)も「目標は完全雇用」としているが、労働組合とSPDが求める法定最低賃金の導入には反対している。
(2008年5月20日)
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