ドイツのニュース

青少年のアルコール消費量、増加

 

    連邦政府のベツィング薬物専門委員が5月5日に発表した2007年度薬物依存報告書では、青少年の喫煙が減少する一方で、アルコール消費量が増加していることが明らかになった。
    ドイツでは、成人の3
分の1が喫煙しており、950万人が「危険なアルコール消費者」(乱酒など)、約130万人がアルコール依存症、140万人以上が薬依存症である。不法薬物を消費している人は約80万人と推定される。現在、アヘン剤、コカイン、アンフェタミン、幻覚剤を消費している人は約20万人、定期的にカンナビスを消費している人は過去最高の約60万人だった。
   
2007年は薬物による死亡者数が前年比7,6%増の1394人だった。再び薬物死亡者数が増加した原因は明確ではなく、州や大都市ごとに状況が異なっている。フランクフルト市は47%増、エッセン市は113%増と、大きく増加したのに対して、ケルン市は15%減、ベルリン市は9%減、シュツットガルト市は8%減だった。

    タバコ消費量では、1217歳の喫煙者が2001年の28%から2007年は18%に減少し、連邦政府の喫煙対策の成果が見られた。自動販売機をチップシステムに切り替えたこと、学校における全面禁煙が導入されたこと、タバコの広告が規制されたことなどを要因として、タバコの売上は30%減少した。
  ベツィング薬物専門委員は、青少年における薬物とタバコの害に関する啓蒙が効果を表していると評価している。タバコを吸わない人は薬物にも手をつけないという。
2002年には1417歳の少年の22%がカンナビスを試したことがあると回答していたのに対して、2006年は13%だった。但し、カンナビスを定期的に消費している1417歳の若者の割合は1993年以降2~3%と変わっていない。ドイツでは、カンナビス悪用者は約38万人、カンナビス依存者は約22万人である。1997年以降、顕著に増加している。これは、長年にわたってカンナビスの危険性が過小評価されてきたことによるという。
  また、一人当たりアルコール消費量は年間
10リットルと、依然として多い。その大半は約130万人のアルコール依存症の人と約950万人の「危険なアルコール消費者」である。特に児童と少年におけるアルコール消費量の増加が懸念されている。蒸留酒ミックス飲料水(アルコポプス)に対する税率引き上げにより、若者のアルコール消費がビール、ワイン、蒸留酒に移行した。
  
1217歳の若者の週当たりアルコール消費量は2005年が34,1グラムであったが、2007年は50,4グラムに増加した。2000年~2006年に急性アルコール中毒症で病院に運ばれた1020歳の児童・少年数は19500人に倍増した。
  連邦政府はお酒とタバコの消費削減を目指して行動プログラムを実施する。様々な予防措置と法的措置を計画しており、お酒の広告ではメーカーに自主規制を呼び掛ける。

2008年5月20日)

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