ドイツのニュース

失業者減少のテンポが減速

  連邦雇用庁が529日(木)に発表したところによると、5月の失業者数は4月より131000人減少して3283000人になった。1年前より約53万人少ない。失業率は0,3ポイント低下して7,8%。過去3年間の4月~5月の減少幅は平均で約20万人だった。減少の鈍化が見られる。季節調整済みの失業者数は4000人増加した。

  旧西独の失業者数は214万人(失業率6,4%)、旧東独は1143000人(13,4%)。55歳以上の失業者数は前年同月よりも68000人減少して427000人、25歳以下の失業者数は61000人減の316000人、長期失業者数(1年以上失業)は307000人減の1138000人。届出求人(雇用庁に届け出た求人)は579000人、民間斡旋業者の求人及び企業と雇用局のインターネット求人も含めた求人総数は1032000人。

  ヴァイゼ長官は、「失業者数は減少しているが、もはや前年の勢いはない」と語った。求人は依然として高水準であるが、企業が採用に慎重になってきた。暖冬だったために冬の失業者数が例年よりも少なかったことも減少幅縮小の原因であると指摘している。雇用市場の陰りの兆候ではないという。控えめながらもまだ楽観的に雇用市場を見ている。

  連邦統計局によると、4月の就業者数は1年前より65万人増えて再び4000万人を超えた。社会保険加入義務のある就業者数は3月に2720万人を上回った。20061月よりも140万人多い。保健、エネルギー、運輸、ロジスティクスの部門で就業者が大きく増加しているのに対して、保険、銀行、公勤務で人員削減が続いている。就業者増加の約60%はフルタイム勤務の職場である。

  ショルツ連邦労働相は、「数年の内には、1年以上職場の見つからない人がいなくなる」と、完全雇用の時代到来を予想している。すでに南ドイツ(バーデン・ヴュルテンベルク州とバイエルン州)ではほぼ「完全雇用」の状況にあるという。

2008年6月10日)

戻る