オバサンの独り言

 

  サッカー欧州選手権が6月7日に開幕した。ドイツは初戦でポーランドに勝ち、幸先のよいスタートを切った。

  ちょうど2年前、ドイツはW杯一色だった。国中を熱気と興奮と感動に包んだあのワールドカップに比べると、今回はそれほどの盛り上がりが感じられないのは開催国ではないからだろう。

  当時は市内のあちこちにパブリックビューイング会場が設けられ、サッカーファンで賑わっていたが、今回は大きな催しは少ないようだ。もちろん、ドイツチームが勝ち進んでいけば、状況は一転するだろうが・・・。

  サッカーは欧州の大衆スポーツだ。英国の社会リサーチセンターの調査結果によると、欧州のサッカーファンの60%は「サッカーは私にとって宗教のようなもの」と回答している。「最も宗教的」なのがポルトガル(70%以上)で、ドイツは約30%とそれほど「宗教的」ではないとか。

  新聞に掲載されていたサッカーを巡る興味深い調査結果のいくつかをご紹介しよう。

  最初に、「恐ろしい」調査結果。ミュンヘン大学病院の研究者によると、神経を消耗するサッカー観戦は心臓発作のリスクを2倍以上も高めるという。男性は3倍、女性は2倍弱。大半は試合開始後2時間以内に発生しており、研究者はこれを「感情的なストレス」と診断している。

  通常、1日当たりの心臓発作件数は人口10万人当たり1件だが、W杯期間中のドイツチームの試合日は3件に上昇した。調査したミュンヘン地区では、試合のない日は1日当たり15件なのに、準々決勝のドイツ対アルゼンチン戦と準決勝のドイツ対イタリア戦の日は60件以上だったという。心臓の弱い方はくれぐれもご注意を!

  次は、「驚くべき」調査結果。シュツットガルト・ホーエンハイム大学の研究者によると、2006年W杯期間における従業員の勤務中のおしゃべりは国内総生産の0,4%の損失をもたらしたという。ドイツ人は仕事中に平均で毎日約15分間サッカーのおしゃべりをした。この勤務中のおしゃべりによる損失は何と約90億ユーロ!だった。

  もう一つ、「心配な」調査結果。欧州選手権開催国であるオーストリアのウィーン大学の調査結果によると、選手権期間中はオーストリア人のほぼ40%が「生活を完全に選手権日程に合わせる」と回答しており、50%の人は「パートナーとの時間が少なくなる」と予想している。

  サッカー観戦がカップルの危機を招くのか? 回答者の3分の1は「サッカー観戦がカップルの喧嘩の原因になる」と確信している。10%の人は「選手権期間中に離婚件数が上昇する」と予想している。20%の人は「オーストリアの開幕戦がカップルの最後になるかもしれない」と悲観的である。

  残念ながら、オーストリアは開幕戦でクロアチアに敗れた。何組のカップルが別れたのだろうか?

  最後に、「切実な」調査結果。ウィーン大学の研究者によると、サッカー試合を観戦しながら、前半でビール一杯、後半でもう一杯飲み、ポテトチップ一袋を平らげると、6月8日から29日までの開催期間中に体重が5,55キログラム増えるのだそうだ。

  しかし、ビール2杯、ポテトチップ一袋だけで終わらないのが常。負ければやけ酒、勝てば祝い酒。体重は増えるばかりである。

  W杯優勝を逸したドイツが欧州選手権で優勝できるか? 

  心臓と体重と生産性とパートナーに注意しながら、サッカーを観戦しよう。

2008年6月10日)

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