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連邦議会、少年裁判所法改正案と性刑法改正案を可決

   

    連邦議会は620日(金)、少年裁判所法改正案と性刑法改正案を可決した。少年裁判所法改正案は連邦参議院の同意を必要とするが、性刑法改正案は連邦参議院の同意を必要としないため、今夏に発効する。

   少年裁判所法改正案によると、最低7年の自由刑に処せられた少年(14歳以上18歳未満)にも保安拘禁を命ずることができる。これまでは、保安拘禁は成人と年長少年(18歳以上21歳未満)にだけ適用されていた。

   少年に対する保安拘禁は毎年審査されなければならない。成人の場合は2年毎に審査が行われている。保安拘禁はドイツ法におけるもっとも厳しい制裁である。

   ツィプリース連邦法務相は、この規定は「極端な事例」にのみ適用され、公衆を守るための他の手段がない場合にのみ適用されることを強調した多くの少年刑法専門家は、保安拘禁は少年刑法における教育措置の考え方に矛盾するとして、改正案を批判していた。

    性刑法改正案は、児童(14歳未満)と少年(14歳以上18歳未満)を性的虐待から保護することを目的としている。改正案によると、対価を払って、あるいは強制された状態(例えば、薬物依存、浮浪者、職業訓練職場が見つからない)を利用して18歳未満の児童ないし少年と性行為をした成人は罰せられる。

   これまでは、被害者が16歳未満の場合に罰せられた。改正により、売春から保護される年齢が16歳未満から18歳未満に引き上げられる(被害者の年齢の改正)。 

   また、未成年者の強制された状態を利用した場合は、14歳以上18歳未満の少年も性的虐待で罰せられる。現行法では少年の性的虐待に対する刑罰は18歳以上の成人だけに適用されている。改正では、罰せられる加害者の年齢が18歳以上から14歳以上に引き下げられる。

   ただし、対価を払っての性的虐待では、18歳未満の少年は罰せられない。若者同士が性的関係との関連で贈り物をすることは認められる。年齢に関係なく、贈り物は対価に含まれない。

   ポルノグラフィーに対する刑罰も厳しくなる。改正では、18歳未満の児童ないし少年を描写したわいせつ文書(テキスト、写真、音を記録保存する媒体など)の所有および配布も罰せられる。これまでは14歳以下の児童だけがポルノグラフィーから保護されていた。これらの改正の大半はEU規定に基づいている。  

2008年7月15日)

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