ドイツのニュース

所得格差が広がる

  ボンの経済社会研究所(IWG)の調査結果によると、1996年~2006年の10年間にドイツの所得格差が大きく広がった。富裕層の割合が16%から21%に上昇したのに対して、低所得層の割合も21%から26%に上昇した。ここでは、所得がドイツ市民の平均的実質所得の70%以下の場合を低所得者層と定義している。

   負け組は外国からの移住者と片親家庭で、1986年~2006年の20年間に低所得者層に占める移住者の割合は28%から44%に、片親家庭の割合は39%から51%に上昇した。

   勝ち組は子供のいるドイツ人家庭で、高所得者層に占める割合が16%から23%に上昇した。64歳以上の人の割合も11%から19%に上昇している。ここでは、所得がドイツ市民の平均的実質所得の150%以上の場合を高所得者層と定義している。

   専門家は貧困層増加の理由として、片親家庭と移民家庭の増加を挙げている。1996年~2006年にドイツ人は280万人減少したが、移住者は350万人増えた。そのうちの290万人、すなわち83%が低所得者層に属している。ドイツ人では1996年以降に110万人が低所得者層に属したが、そのうちの80万人は子供のいる片親である。

   専門家は移住者貧困対策として、「一貫した移民・同化政策」を政府に求めている。一貫した政策が実施されなければ、富裕層と貧困層の格差は広がるばかりだと警告している。

2008年7月15日)

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